確定拠出年金は、企業年金に代わるものとしてつくられた制度で、公的年金の補完のためのものです。会社員だけでなく自営業の人も利用できます。銀行や証券会社などが管理会社として窓口になっており、利用者は窓口を選んで申込みます。
そして、毎月、支払う掛け金を、各管理会社が用意している運用商品に振り分けて運用します。将来、運用成績に応じて増えた原資を年金として受け取るというしくみです。ここが確定拠出年金の最大の特徴で、自分が選んだ運用方法がうまくいけば、もらえる年金額も増え、逆に、うまくいかなければ減ってしまうリスクもあるということなのです。
ただ、選べる運用商品には元本保証のものもあるので、そういうものを選んでおけば、最悪、元本割れは避けることができます。
リスクをとって運用しなければならないなら、自分で株を買ったりするのとどう違うのか?という気がしますが、それは確定拠出年金の掛け金として支払った額は全額が控除に使えるという点です。個人年金保険の控除よりも多額の控除ができるので、節税効果は高く、これが最大のメリットと言ってもいいくらいです。
個人年金保険は最大4万円の控除でした。確定拠出年金では、会社員の場合月額23,000円まで、自営業の場合月額68,000円までの拠出額(掛け金)の総額がそのまま控除額になりますから、それぞれ27万6,000円、81万6,000の多額の控除になります。
ただ、さすがに月額5~6万円も支払うのは、むしろ支払いが負担になるので、上限まで掛ける人は少数派かもしれませんね。とはいえ月額1万円の支払いであっても、確定拠出年金なら年間12万円がそのまま控除になりますから、年間所得が200万円の人は所得税が9万4,000円になります(控除がない場合の税額:10万2,500円)。
デメリットは、運用方法によってはリスクが発生するという点と、支払った保険料は引き出せない(途中解約ができない)という点です。 |